顔が見えない相手

言葉一つ一つにトゲがある人がいる。
また、いつも柔和な人なのに、機嫌が悪いのか刺々しい言い方をすることがある。
「何か怒ってるかな?」と気にしてしまうたちなので、何が悪かったのか、頭がフル回転する。

「別に。怒ってないし」と分かりやすいことではなくて、「僕”は”、こうした方が良いって言ったんですけどね」というように、暗に不満を含ませるようなのがトゲだと思う。
「僕も、こうした方が良いと思いました」と柔らかくして、心の中では代替案を叫んでおく方が良いと思う。

でも心の中で爆発させるとストレスがどんどん溜まる。
外国人は日本語のこういった微妙なニュアンスが大嫌いだと言うが、日本人だってハッキリ言えない状況にもやもやする。
少しでも発散したいから、ついトゲをつけてしまうのだ。

でもいつも、トゲがある人は問題だと思う。
何がそんなに不満なの?と言いたくなる。
心の声がトゲに現れていると私は思うので、「ハッキリ言いたいことがあったら言ってくださいよ」とこれまたトゲトゲ全開で喧嘩口調になってしまいそうでコワイ。

こう考えてみると、トゲが多いのは私だ。
気が強いし、細かい言いぐさがきになってしまうので、言葉に含まれる感情をきちんと伝えてください、聞きますから、と思ってしまうのだ。
トゲを外すには、接続詞などに怒りを込めないことだ。

「私”は”、やったんですよ」と言うときに”は”の部分を高くしてしまうと、「私はやったけど、あの人はやらなかった」と聞こえてしまう。
柔らかく柔らかく、心がけよう。

二番煎じ

年末に発表される流行語大賞で本命とされている「じゃ、いつやるのか?今でしょ!」という伝説の予備校講師の言葉。
大ブームとなり、色々な所で使われている。
流行りものの使われ方に、非常に疑問を感じる。

いくら流行っているからといって、何にでも使えば良いというわけではないのだ。
便乗という二番煎じに甘んじてはいけないと思う。
地元の大型家具店のテレビコマーシャルで、このフレーズが使われていて、非常にガックリときた。

元から、センスが今ひとつなんだよな〜と思っていた家具店だったが、このCMを見て、ほらやっぱりセンスがね…と思った。
だれが構成を考えたのかは分からないが、例えばクライアントがこの流行ってるフレーズを使ってくれと言ったとしよう。

関わっている広告代理店や制作スタッフの誰も疑問には思わなかったのだろうか?流行りに乗って、面白くなるわけでもないのに…と思わなかったのなら、CMを作るクリエイターとしてのセンスが無かったのだ。
でも誰もが疑問に思ったはずだ。

それならば、クライアントになぜ言わなかったんだろう。
「二番煎じで面白いと思えません」とオブラートに包んで、本当に良いCMを作るために働くのが広告代理店の仕事ではないのだろうか。
それさえも言いずらいクライアントとの関係性しか築けていないのなら、仕事が足りない。

ラブラブなカップル

クライアントの顔色だけを見て、視聴者に受けるものを作るという本質から外れている。
クオリティの低いものを作りたいと思っているわけではないはずだ。
次の改編時期にはまだ少しだけ時間がある。
どうか面白いものを作ってもらいたいものだ。