レベルが下がる

短大生や専門学生と交流する機会が数年前から続いているが、時間の捉え方で学生のモチベーションが見抜ける。
遅刻に対して罪悪感が全く無い学生がいるのだが、人の時間の感覚を変えることはこんなに難しいことなのかと痛感している。

私は遅刻してくることに対して理由を事細かに聞く。
遅刻した理由が、家を出るのが遅くなったというならば、何時に起きたのか?起きたのが遅いなら、何時に寝たのか?寝る時間が遅いなら、なぜ遅かったのか?をいちいち聞く。
そうすることで、本人が遅刻をしなくなる。

朝が苦手なら昨夜の過ごし方がまずいことが多い。
短大・専門学校に通う学生で、「夜中まで勉強していた」という意見はまず出ない。
たいていがアルバイトか、テレビやネットをしていたからだ。

アルバイトで遅く帰宅する場合、帰って色々と家のことをしなくても良いように、片付けや夕食を準備しておいたり、すぐ布団に入れば良い。
テレビは予約して翌朝の準備中に見れば良いし、ネットの情報はその日でなくても見られるのだ。

こうやって、前夜の指導まですれば学生たちの朝が変わるのを実感する。
学校によっては、遅刻に対して厳しく指導しない所もあるが、単に先生が面倒だと思っているのだろう。
人に時間について教えるのは根気がいることだからだ。

遅刻しがちだった生徒が毎日きちんと来られるようになると、「褒めてください」的な態度を取ってくるが、私は一切褒めない。
遅刻せずに来ることが「当たり前」だからだ。

朝きちんと起きられたことに対して褒めていてはクラスの、学校のレベルが下がる。
早起きすることは当たり前で、遅刻せずに余裕を持って登校することがいかに自分を変えるのか。
それを本人が実感するには、まだ時間がかかりそうだ。