暇な主婦のお楽しみタイム
30年から20年ほど前、新興住宅地として開かれた場所に住んでいる。
1丁目から6丁目まである町内のほとんどのエリアは、一軒家がずらりと並んでいる。
その中に建つ、ごく少ない単身用のマンションに私は住んでいる。
元新興住宅地という場所は、全国どこにでもあると思う。
政令指定都市で、田舎でも都会すぎるわけでもない絶妙な場所に住宅地を作ったもんだなと思う。
現在、近所の住宅地では世代交代が行われている。
ブロック塀で多うスタイルが主流だった30年ほど前の住宅が取り壊されたり、リノベーションされている。
塀ではなくオリーブの樹で視界を遮り、中2階や屋上、ソーラーを設けた新しいタイプの家が続々と建っている。
親から子の世代へバトンタッチされ、新しい家の主は40代くらいのお父さんで、小学生の子供がいる、というような家族構成が一気に増えた。
元の主であるお祖父さんがお亡くなりになっている、というパターンも非常に多いようで、おばあさん一人でお住まいになっている家もたくさんある。
広い土地に建つ長屋でお一人で暮らしているのは寂しくないのだろうかと心配になってしまう。
それでも、庭先に植えてある植物を剪定したり、門戸のあたりに落ち葉が溜まらないようにしているお姿を良く拝見する。お元気そうで良かった、と全く知らないご婦人ながら安心するのだ。
無人となっている家もたくさんある。
お一人で暮らしているお年寄りが、近くのデイケアセンターに入所したが、家はまだ手放さないという方は非常に多いのであろう。
訪ねてきて、無人となっている家をたまに掃除する家族はいないのかな?とこれまた勝手に心配になるのだった。
お知り合いであれば、鍵をお借りして、たまに窓を開けて風を通したり、仏壇周りを綺麗にするのに、と思う。
新築で30年ほどに建てた家は今でも立派だ。
朽ち果てていく様子をだまって見ているのではなく、何か手助けできればいいと、いつも思いながら住宅街を歩いているのだった。
そんな閑静な住宅街に、出会い系で知り合った若い男性と電話でコンタクトを取ることが、毎日の日課になってしまった。
つまり、連れ込んで楽しんでいる。
背徳感がたまらないし、若いので激しいと何も考えられずに、身体を預けてしまう。
未亡人だと聞くと、遠慮というリミッターが外れる男性がほとんどだ。
もう、おもちゃでは物足りない。